2022'12.02 (Fri)
クライマーとは
人生クライマー
世界的クライマー山野井泰史のドキュメンタリー映画です。
単独行動初登頂にこだわり続けたクライマーで、それはもうえげつないルートを、えげつない季節に、フリーソロで登っておられます。
クライマーのドキュメンタリー映画を見ると、クライマーはエゴイストという印象を強めるものですが、この映画ではその印象は薄めでした。
ご本人の訥々とした語りがそう思わせるのかとも思いましたが、未だに生き残っておられるのということが大きな要因かも...
困難なルートに挑んで敗れるクライマーは多々おられます。
この映画でも、○○で死亡というテロップが沢山流れます。山野井さんとザイルを結んで登っていた映像があった方が亡くなられてたり、山野井さんが自分より慎重と評したクライマーが亡くなってたり、鑑賞中ビビることもしばしば。
その方々と同様、またはそれ以上に危険なルートに挑んでいる山野井さんが生き延びているのは、自然に対してエゴイストになる一線を踏み越えてないからと、思ったりしてます。
まあ個人的な感想ですが...
奥様の妙子さんとの日常生活もこの映画に収録されてます。
この淡々とした日常生活が、あのシビアな山行を際立たせてます。
奥様の妙子さん、kinkachoとしては泰史さんより力のあるクライマーではないかと思ってます。
2022'11.21 (Mon)
チャドウィック・ボーズマンへの追悼
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー
主役の役者が亡くなってどうなることかと思っていたら、映画のストーリーに織り込むという荒業できましたよ。
冒頭で国王陛下逝去、葬儀なので、経緯を知らなかったら度肝を抜かれます。
という訳で、全編がチャドウィック・ボーズマンへの追悼となっております。
それがいいのか悪いのか...
まあ、kinkachoもマーベルの追っかけに疲れてきてソーは見なかったのに、このブラックパンサーは追悼の気持ちもあって見たのですが。
兄国王の代わりに主役になった妹王女が痛々しくってね、すっきりと見終われませんでした。
王女シュリはお兄ちゃんを亡くして、故郷を焼かれて、お母さんも亡くして、お腹に槍をぶっ刺されて、もう見てられないくらい気の毒でした。
王女シュリ役のレティーシャ・ライトがまたスレンダー過ぎてブラックパンサーの衣装になると、折れそうで怖かったです。
とりあえず、物語としては再生と継承のエンディングになるのですが、マーベルのお約束「続く」という作りなのですっきりしません。
敵役も生き延びて、悪巧みしてるし...
やっぱりもうマーベルを追いかけるのは無理ですわ。
2022'09.21 (Wed)
北村一輝目当て
沈黙のパレード
14年ぶりのガリレオシリーズの映像化。
福山雅治は二枚目役だけど、癖の強い役どころなのが好きです。二枚目はストレート過ぎて面白くないので。
kinkachoの目当ては湯川の親友である草薙役の北村一輝です。
アナーキスト北一輝を思わせる芸名と濃い顔立ちで目を引いた役者さんで、ドラマ「夜王」で敵役のホストをやってまんまやん!と突っ込ませてくれたものですが、案外、時代劇でいけることに気がついて注目しました。
すごい濃い顔立ちなので時代劇は無理かと思っていたのですが、フジテレビ「大奥」で将軍役と柳沢吉保をやったところにひかれました。
上様役はまあ立派な衣装を着けて偉そうにしていたら務まるのですが、文治政治の官僚である柳沢吉保を演じたところがすごいなぁ~と。フジテレビの「大奥」は昔なからのスキャンダルな大奥なので、官僚であることはクローズアップされないのですが、浮わついた寵臣に見えなかったのが評価に値しました。
そして、大河ドラマ「天地人」の上杉景勝がはまり役でした。
薄っぺらい妻夫木聡の直江兼続の横で、寡黙で不器用な君主を落ち着いて演じていて好印象でした。侍役の肝は腰なのですが、この人は腰が決まってるのがいい。
もうひとつは「猫侍」。浪人もいけるじゃんと喜んだものです。
最近時代劇は少ないので、北村一輝がお侍を演じる機会が少ないのは残念です。
ガリレオは現代劇なのですが、久しぶりに北村一輝を見れて嬉しかったです。
2022'09.05 (Mon)
何ちゃって日本
ブレットトレイン
ブラピはイカれた映画が似合うを地でいった映画。
舞台となる列車は新幹線とは似ても似つかぬちゃちな車体だし、町並みはアジアテイストのどこかの異国でした。
わざとそんな演出なんでしょうね。
でないと、殺し屋と反社会的組織の方々が武器を持ってドンパチやるのに違和感満載ですもの。
ここで、リアリティを求めてもいけませんね。
原作は伊坂幸太郎。原作は読んでませんが、伊坂作品に感じる現実から一歩離れたあやふや感が表現されていたと思いました。
銃器、刃物、爆発物、毒と、人を◯す道具はほとんど使い倒され、そりゃないだろうという破壊も繰り広げられし、根底にあるのは復讐と恨みという血生臭い感情なのですが、どこか浮き世離れしているので、嫌悪感はわきません。
ブラピ演じる主人公も躊躇い無く人を殴るし、◯しちゃう。でも、一番の善人に見えるのが不思議。何より男前だし、見てて目に嬉しい。
そして、真田広之!
はい、kinkachoは真田広之のためだけに映画館へ行ける人間です。
真田広之、一人だけ刀振り回しても刀に振り回されてませんでした。他の役者は刀を腕で振り回してましたが、真田広之だけは腰で振るってました。納刀もめちゃ絵になってましたとも! 眼福でした。
適度にイカれて面白い映画でしたので、映画館での観賞をおすすめします。
2022'08.12 (Fri)
あらやだ、面白い
キングダム 遥かなる大地へ
ごみつさんの推しがあったので、映画館へ行きました。
一作目も存外面白かったのですが、二作目で見方がわかったというのか、落ち着いて見れました。
中国歴史物として見てしまう傾向があったのでしっくりこなかったようで、「るろうに剣心」みたいに時代劇ではなくアクション映画として見たら楽しめました。
時代考証に忠実な衣装や髪型ではないし、だいたい日本語しゃべってるし(笑)
信くんが「大将軍になる!!」というのが、隣のスクリーンでやってる「海賊王になる!!」という某アニメに被ってるのも笑えた。
何より戦争シーンが上手く描写されてたのが楽しめた一番のポイントですね。
CGでしょうが、陣形や戦況の動きが視覚できたのが嬉しかった。
でもまあ、中央突破でどんどん削られていってるのに、指揮官の首を取ったら戦況がひっくり返りましたって現実にあるのかな???
そりゃ、士気は下がるけどさ。
この映画の状況なら、指揮官の首が落ちた時点で副官が指揮権の委譲を受けて、残存兵力で圧殺したらいいのに...と思ってました。
卒論が元の南宋攻略だったもので、圧倒的兵力と補給があれば、大概のものは力業でねじ伏せられると思っているので...まあ戦後処理は違いますが...
そして、俳優陣。
若い子達はまったくわからないのですが、(増量した)大沢たかおと(老けた)トヨエツが馬を並べてるショットに笑いがこみ上げ、ラスボス佐藤浩市(親父そっくり)丞相の〆に大受けしました。斜め後ろに玉(木宏)がいるし(笑) 同じ二世でも、佐藤の方が高島兄より貫禄あるなぁ~とか、戦後のシーンがめちゃツボでした。
ここらへんがベテラン勢になるんですね~
三作目の映画化も決まってて、なかなか快進撃の作品なんですね。