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2014'08.01 (Fri)

受刑者は反省しない?

刑務所なう 堀江貴文著

あのホリエモンの獄中記です。
手描きの手紙で娑婆に出して、メルマガやツィッターにスタッフがアップしたもの+西アズナブル氏の獄中風景マンガから構成されてます。
近来稀に見る面白い本であったことを認めますが、結論から言えば、

受刑者を矯正するのは不可能!!
特に若年の猟奇犯罪者は本質だから矯正は不可能だと思ってる。

以前、LB受刑者の書いた本を読んだことがあります。
LB受刑者は基本的に「自分は運が悪い」としか思っていないし、罪を犯したことを反省はしていない。
懲役刑は犯罪者を社会から隔離することはできるけど、矯正をすることは不可能と思いました。
そして、この本を読んで思ったのは、ホリエモンはまったく罪を犯したという意識はない。
刑務所という自由の無い生活で、娑婆の生活の便利さや贅沢さを実感はしているけど、二度と罪は犯すまいとは思っていませんからね。
娑婆に出てから同じようにビジネスを始めて、運が悪かったらまた逮捕されるぐらいにしか思ってませんね。

何十年かで培われた性格や志向などが、たかが数年~十数年の獄中生活で強制されるとは思えません。
監視された自由のない環境に適応して、多少行動様式は改まるのでしょうが、娑婆の環境に出ればたちまち元通り…
不自由な生活とは言いながら、年末年始には年越しそばにおせち料理、夏にはアイスにお菓子、慰問会にカラオケ大会にスポーツ大会、テレビもそれなりに見れるし、映画はけっこう新作を見ている。普段の食事はヘルシーで、体調を崩せば場合によっては塀の外の病院にもかかれる。

真面目に働いて税金も社会保険も納めてるのに、生活保護より安い賃金や年金で、ちょっとした駄菓子はおろか、医者にもかかれない生活をしている人より、人間的でまともな文化生活をしています。

世の中おかしいんじゃないの???
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2014'01.29 (Wed)

なんかヌルイです

男性論 ECCE HOME ヤマザキマリ著

古代ローマのいい男を「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリが論じてくれるのかと思ったら、古代ローマの話はわずか30ページ、妥協できるルネサンスまでの男性論で+20ページとまったくの期待外れでした。
あとは、著者のエッセイマンガと被るお話です。

う~ん、まったくヌルイ…

「テルマエ・ロマエ」が面白かったのも三巻までだったし、著者のエッセイもいくつか読みましたが、ほとんど全てになんか竜頭蛇尾感が拭えません。
面白さが持続しないんですね。
漫画家として決して絵が上手い訳でもないし、ネタで引っぱらないとこれから先が難しいと心配になってしまいます。
なまじ「テルマエ・ロマエ」が映画化で騒がれただけに、商売として一発屋として浪費されてしまいそうなのが惜しいです。
この浪費が、最近の文壇やマンガ界で真の無頼派を育たない原因でしょうね。

その点、西原理恵子の「スナックさいばら おんなのけものみち」はしたたかさを感じます。
地に足がついたおばちゃんのしたたかさ?
西原さんは微妙にピンで勝負しない小狡さは本当にしたたかです。
中島らもの「明るい悩みの相談室」のパクリのような他人の投書で成立するこのシリーズや、「ああ○○」シリーズ、「人生画力勝負」、ここらへんの人気シリーズは全ては素人からプロの漫画家まで巻き込んで成立させてます。
思えば、彼女の最初の話題作「恨みシュラン」も神足氏と組んでの仕事でした。
ふり返れば、西原さんはツッコミをマンガ界に持ち込んだとも言えますね。
もはや芸風???

このぐらいのしたたかさをヤマザキマリさんにも要求したいと思います。
20:26  |   |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT   このページの上へ

2014'01.11 (Sat)

読み応えあり

今年は新年早々面白い文庫を探し当てました。

鹿島茂著
「パリ、娼婦の館 メゾン・クローズ」
「パリ、娼婦の街 シャン=ゼリゼ 」

鹿島茂氏の(たぶん)最初の一般書「明日は舞踏会」という本がいかにも女性が好みそうな題材だったのですが、その後はちょっとエロティックな著書が増えてきたなと思ったら、ついに「世界最古の商売」そのものを扱う本が出ました。
単行本が先行していますが、文庫化に当たって二分冊となり加筆もされています。

娼婦の館は娼館での、娼婦の街では街娼の「世界最古の商売」の様子を活写します。
扱う時代は近世から二次大戦後禁止法が公布されるまで。

資本主義が台頭し、該当に商品が溢れるのにそれを購入する財力が女性になかった時代、財力を得るために女性がどうしたのか。
「世界最古の商売」と言われるが、その隆盛は資本主義と見事にリンクしている。

そこらへんを難く描くのではなく、史料を引用したり、文学を利用したり、実にわかりやすく、一般教養書として興味が持てるように書かれています。
ゾラの「居酒屋」「ナナ」の引用、マリー・デュプレシス、リアーヌ・ド・プージィなどの高級娼婦のエピソードなどなど実に読みやすい構成になっています。
大著ではありますが、この時代のパリの裏社会に興味のある方は一読をおすすめします。

ちなみに、この時代の一級史料が洋行した日本男性の著書というのがなんとも興味深いと思いませんか?
00:17  |   |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT   このページの上へ

2014'01.08 (Wed)

一気読みさせられました

「毒婦。木島佳苗100日裁判傍聴記」 北原みのり著

久々に読み出したら止められず一気読みしてしまいました。
例の婚活連続殺人事件の裁判員裁判の傍聴記録です。
この事件が最初報道された時はごく普通の反応として、
「どうしてこんな女にひっかかる?」
「どうしてあっさり金を払う?」
「どうしてここまで複数人も?」
と疑問符だらけでした。
そして、裁判報道を読むにつけ
「どうしてここまで下半身自慢に特化できる?」
「気持ち悪い」
とこれも普通の反応だと思います。

この本を読んでみると、木島佳苗がビジネスとして粛々と犯行を続けていたのではないかと思いました。
この犯行は仕事なのです。
会社員が出社して、経理なら経理、営業なら営業という業務をこなすのと同じように、婚活サイトを利用して対象を選び、メールを送り、対面し、お金を引き出して、練炭を点火する。
これを営業だと考えたら、犯人は極めて優秀な営業ですね。
営業努力は惜しんでません。
金額の提示、メールの文面、相手の(金が引き出せるかの)見極め、金を引き出す駆け引き、料理や介護、旅行などの営業活動…これが普通の営業なら極めて敏腕の営業と言うしかないと思いました。
結果として殺人を犯したことは許されることではないですが、殺人という自覚が犯人にあったのかどうか。
単に案件の終了として練炭に点火しただけで、営業終了の手順だっただけではないかとゾッとします。

裁判での下半身自慢も営業が自分の得意分野の主張だとしたら…

新聞の書評を読んで興味を持った本ですが、読書の爽快感はありませんが、なかなかに考えさせる本でした。
文庫なので入手も読むのも気軽です。ただし、読後感は保証しません。それでも、ちょっとお奨めします。
12:51  |   |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT   このページの上へ

2013'09.23 (Mon)

本も読んでいます

すっかりアウトドアなブログと化してますが、本も読んでいます。

20130924.jpg
二十世紀の10大バレエダンサー 村山久美子著

舞踊評論家、舞踊史・ロシア舞台芸術史家、ロシア語通訳・翻訳として名高い村山久美子さんが、
「二十世紀の際立つダンサーについて、その舞台だけではなく、過ごした場所や時代の芸術的環境、社会状況などをあわせて語ることによって、彼らの芸術の深みに迫る」とした著書です。
取り上げたダンサーは、
ウリヤーナ・ロパートキナ
ウラジーミル・マラーホフ
シルヴィ・ギエム
ファルフ・ルジマートフ
ミハイル・バリシニコフ
ジョルジュ・ドン
ルドルフ・ヌレエフ
マイヤ・プリセツカヤ
ガリーナ・ウラーノワ
ワツラフ・ニジンスキー
の10名。
他に、別章として
森下洋子
吉田都
熊川哲也
という3名の日本人ダンサーを取り上げています。

この本は多少なりともバレエを知っている人が読むと、とても面白い本だと思います。
各ダンサーの舞台の様子、芸術性に関する記述も当然面白いのですが、時代背景、社会状況までが語られているのがとても興味深いです。
帝政ロシアの流れを汲むニジンスキー、ソ連の社会主義の下、バレエという芸術に出合い、亡命したヌレエフ、バリシニコフ、ベジャールと劇的な出合いを果たすジョルジュ・ドン…いずれのダンサーもドラマティックな背景があってこその歴史に残るダンサーなのだなと感心します。

マラーホフ、ギエム、ルジマートフ、バリシニコフ、ヌレエフは幸運にも生で舞台を見る機会に恵まれていましたし、ドン、プリセツカヤは映像ででもその踊る姿を見れたのは僥倖でした。

やっぱりねえ、凄いんですよ、バレエダンサーって。
ギエムのボレロを見た時は、ほんとに凄い高揚感で、宗教儀式のようでした。
訳がわからなくても、一流といわれるバレエダンサーの舞台はそのピークに一度は見ておくべきです。
何もかも超越したあの感動は、生でないとわかりません。
17:54  |   |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT   このページの上へ
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