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2014'01.08 (Wed)

一気読みさせられました

「毒婦。木島佳苗100日裁判傍聴記」 北原みのり著

久々に読み出したら止められず一気読みしてしまいました。
例の婚活連続殺人事件の裁判員裁判の傍聴記録です。
この事件が最初報道された時はごく普通の反応として、
「どうしてこんな女にひっかかる?」
「どうしてあっさり金を払う?」
「どうしてここまで複数人も?」
と疑問符だらけでした。
そして、裁判報道を読むにつけ
「どうしてここまで下半身自慢に特化できる?」
「気持ち悪い」
とこれも普通の反応だと思います。

この本を読んでみると、木島佳苗がビジネスとして粛々と犯行を続けていたのではないかと思いました。
この犯行は仕事なのです。
会社員が出社して、経理なら経理、営業なら営業という業務をこなすのと同じように、婚活サイトを利用して対象を選び、メールを送り、対面し、お金を引き出して、練炭を点火する。
これを営業だと考えたら、犯人は極めて優秀な営業ですね。
営業努力は惜しんでません。
金額の提示、メールの文面、相手の(金が引き出せるかの)見極め、金を引き出す駆け引き、料理や介護、旅行などの営業活動…これが普通の営業なら極めて敏腕の営業と言うしかないと思いました。
結果として殺人を犯したことは許されることではないですが、殺人という自覚が犯人にあったのかどうか。
単に案件の終了として練炭に点火しただけで、営業終了の手順だっただけではないかとゾッとします。

裁判での下半身自慢も営業が自分の得意分野の主張だとしたら…

新聞の書評を読んで興味を持った本ですが、読書の爽快感はありませんが、なかなかに考えさせる本でした。
文庫なので入手も読むのも気軽です。ただし、読後感は保証しません。それでも、ちょっとお奨めします。
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