2022'02.26 (Sat)
本来はこっちの人 二本目
シラノ ジョー・ライト監督
「シラノ・ド・ベルジュラック」 演劇好きなら一度は見ている戯曲でしょう。kinkachoもストレートプレイ、ミュージカル、宝塚と色々なバージョンを見てます。映画でもドパルデュー主演の仏映画やら、現代に置き換えた「いとしのロクサーヌ」やら多数見ています。
そして、ジョー・ライト監督。振り返れば「つぐない」「プライドと偏見」「アンナ・カレーニナ」「ウィンストン・チャーチル」と大概の作品を見てた!!
本作を単品として見たら、美しい映像、優美な振り付け、上品な楽曲と佳作のレベルでまとまってるし、高評価なのです。
しかし、直前に「ウエスト・サイド・ストーリー」を見てしまったものだから見劣りが...楽曲の圧が違い過ぎる...
公開時期が三ヶ月でも違ったら素敵な作品だったねと素直に喜べるのに、残念。
そして、この作品でもハリウッド規約が作品を楽しむのに邪魔してきます。
シラノがハンディキャップド、クリスチャンがカラード、モブもカラード率高し...
kinkachoはコスチュームプレイはその時代のままやるのが正当だと思っているのですが、この映画をこのキャスティングでやるなら現代に置換して欲しかった...ミュージカルというファンタジーかもしれないけど、あの衣装、あの化粧、背景の30年戦争が視覚にくると、登場人物のカラード率がツラいです。
あの時代のフランスにあのカラード率はあり得ないし、もちろん兵士にはなれない。シラノも特殊な用途で宮廷に上がれても、軍隊には入れない。ロクサーヌもカラードに恋することはあり得ない...
こんな雑念が鑑賞を邪魔してくれました。
本当にいろいろ惜しいです。
2022'02.26 (Sat)
本来はこっちの人 一本目
大阪マラソンがエリートレースになってしまい、市民ランナーは排除されました(涙)
今シーズンはこれ一本に絞っていて、走行距離を増やし、調整やらサプリメントやら半端ない努力をして、コンディションはかつてないほど良かったのに全てパァ...失意のどん底です。
やさぐれてます!!
そこで、昨日は本来のインドア派に戻って、映画二本、ネカフェで漫画、帰宅してインスタントラーメンの夕食にスナック菓子を食べながらYouTubeを見るという自堕落な一日を過ごしました。
ナイル殺人事件
ケネスポアロの二作目。とてもスタイリッシュで、煽り文句の「極上」のという単語にふさわしいのですが、やはり前作同様エレガントさに欠けてました。惜しい!!
先のウエストサイドストーリーやこの日見たもう一本とも共通するのですが、現在のハリウッド規約に合わせるためか、同性愛カップルやら、有色人種の登用のための設定変更がやたらと目につきます。
現代に置き換えたのなら有りだけど、クリスティ作品はやっぱり二度の世界大戦の狭間の限定された時代の煌めきが大切なので、あの時代を舞台にするなら別に設定変更は不要だし、変に有色人種を突っ込むと時代背景に対して違和感が...言い方悪いけど、肌の色が視覚に来るので映像を見続ける限り襲ってくる違和感との戦いでした。
そして、ハリウッド規約以上の違和感はワトソン役の不在。1978年版にはレイス大佐がいるのに本作には不在。前作のオリエント急行殺人事件でワトソン役だった(?)ブークが続投していますが、前作でも役に立たなかったのに、今回はマザコン小悪党に格下げの上○亡です... ワトソン役を○す? しかも、容疑者側のキャラクターを母息子に分割してまで???
これはブラナー出演・演出作品で前々から気になっていたのですが、どうもブラナーさん自分が主人公でないと気がすまないタイプみたいです。演出だけだといいのですが、出演だと自分にスポットライトが当たってる...
こう言う名探偵ものは探偵は確かにタイトルロールなのですが、本当の主人公は事件に関わる人間模様、そして、名探偵と助手はペアでスパイスのはずなのに、ブラナーさんだとブラナーさんが主役...ダメだと思う...
とまあ非難してしてますが、前作オリエント急行殺人事件同様、スタイリッシュで、二つの世界大戦の狭間のセレブ(あくまで上流階級ではない)の豪華な生活を再現していて、何でも弾け飛ぶ最近の映画では見れないものが拝見できます。
2022'02.25 (Fri)
完結してたよ
双亡亭壊すべし 藤田和日郎
ちょーと目を離していたら完結していました。
少年漫画の性で巻数が多い...コミックス派なので一巻一巻講読してると前の話を忘れているので、ネカフェで一気読みです。オーブン席で読んで背中バキバキです。まあ最近はネカフェの方が集中して読めるので頑張りました。
藤田先生は長編でも見事に着地させるなぁ~と感心しました。
うしおとおら、からくりサーカス、月光条例とことごとく見事に着地させてます。きれいに完結させるのはなかなか難しい作業であることは、こちらも歳を取ってようやくわかってきました。
商業誌掲載だけに、いろいろな事情で打ち切られたり、無理矢理伸ばされたりと大変なのと、作者も歳を取ってくるので作業が大変になってくるのがひしひしとわかります。
いい歳の大人が読んでも大した破綻も無く、面白く読めました。ありがとうございます。
藤田作品は中、短編に真髄があると思ってますが、やっぱり長編も面白いよ!
2022'02.14 (Mon)
やっぱり名曲
ウエスト・サイド・ストーリー
やっぱり名曲の力は凄い!!
不良の対立、恋をしたとたんに融和しようとする主人公、なのにぶちギレて相手を殺害、兄を殺された直後にその相手と抱き合うヒロイン...もともと共感しにくい要素が満載な上、リメイクということでさほど期待していなかったのですが、
凄いよ、ソンドハイム&バーンスタイン!!
前の映画化が1961年。60年たっても名曲は名曲だ!
プロローグから名曲の連続でハートを鷲掴みにされました。
マンボ~マリア~トゥナイトの流れなんて圧巻でした。
それと、映画オリジナルキャストのリタ・モレノ(舞台オリジナルキャストはチタ・リベラ)が製作総指揮&キャストとして出てます。
これが、おそらくは観客に多いであろう1961年版を見た連中には、刺さります。あのアニータが...とか、彼女が歌うサムフェアは深いとか、記憶とか思いに訴えかけてきます。
その反面、今回のキャストはちゃんと役を演じてる感以外は印象は無いのですが、かのジョージ・チャキリスがベルナルド役以降苦労したことを考えると、それはそれでよかったのではと思います。
そして、スピルバーグ監督は、ウエスト・サイド・ストーリーに凄く影響されて、リメイクができる立場になったのでリメイクしたんだろうなと...同様のインパクトをウエスト・サイド・ストーリーから受けたkinkachoには頷くものがありました。
スピルバーグ監督が単なるリメイクに終わらせなかったのは、スラム街の再開発を明示して、この対立に結果が出ても全ては圧倒的な力に塗り潰される未来しかないことを示していたところでしょう。
ラストシーンで、不良たちのたまり場だったヴァレンティーナの店(1961年版ではドクの店)のすぐ隣まで再開発のためのビルの解体が迫っていたのも、このドラマも全てが無かったことになるのを感じました。
最後に腐女子視点をひとつ。
ベルナルドが妹のマリアの相手として宛がうチノです。彼が最後にはトニーを撃って終わりとなります。
1961年版ではマリアが好きだったのに、トニーにマリアをかっさらわれて、嫉妬から撃ったという流れでした。
でも、今回のリメイク版。チノはコミュ障のオタク風味で、マリアへの好意より、ベルナルドへの憧れの方が強くて、マリアがトニーに惹かれるのには諦め気味で、むしろ推しムーヴしてました。なのに、ベルナルドがトニーに殺された途端に、火が着いちゃって、トニーを撃ったのもベルナルドの敵討ちでしたよ。
演出が明らかにそうだったので、ちょっとニヤリとしました。
何せ、ベルナルドはマッチョ野郎で、アニータを女房にする気満々で、家長として妹の相手はチノと決めていましたが、チノの方はマリアはベルナルドの妹だし、ベルナルドがそう言うなら付き合いますと温度差を感じました。
ここら辺の演出は腐女子としてはニヤつくところです。
2022'02.09 (Wed)
氷瀑三本
今年の寒波は強烈ですね。
お陰で手近の滝が凍ってます。遠出をしなくても氷瀑が見れるチャンス到来!!
①裏六甲・七曲りの滝 1月28日
昔は毎年凍っていたのですが、近年の暖冬で凍らなくなりました。去年に続いて今年も久しぶりに凍りました。
期待よりショボくてガッカリでした。
2021年1月17日の七曲りの滝。
こんなのを期待していました。
②金剛山・もみじ谷 1月29日
大阪府の耐寒登山のメッカ・金剛山のもみじ谷です。
大きさが伝わらなくて残念です。
滝裏にも入れます。
参考までに、1月7日の金剛山・つつじお谷の滝。凍りつつありました。
③大峰・御船の滝 2月9日
有名なシェイクスピア氷柱群が凍ったと聞いてワクワクで用意していたのですが、私有地に人が入り過ぎて立ち入り禁止となりました。
代わりに大峰近くの御船の滝を観賞してきました。
左下の人と比べると氷瀑の大きさがわかると思います。
①②とは段違いに大きいです。
滝が凍るという条件が揃わないと見れない氷瀑。近畿ではなかなか見れなくなっています。
2022'02.04 (Fri)
語るに落ちる
355
結論から言うと映画館へ行かなくていいです。
語るに落ちると言うか、冒頭10分でラスボスがわかるので全然面白くないです。
アクションも華に欠けるし、355の回収も「これ?!」って感じで付けたしでした。
この映画、何がしたかったのかしら...
冒頭でラスボスがわかっちゃうシーケンスを見てて、頭をよぎっていたのは「エロイカより愛をこめて」でしたね。
こいつら、少佐にアラスカ送りにされてしまえ!
ずーっとそう思ってました。
エロイカの主人公(?)エーベルバッハ少佐は、ペーペーのZに任務中にイチャラコするボンドのようなスパイは失格だと常々言い聞かしておいででしたが、少佐がこの映画見てたら血管切れてたと思います(笑)
クレイグボンド以前だったので、少佐のお怒りももっともだな~と、ボンドが孤独って時代も変わったもんだとしみじみします。
冷戦も、アラスカ送りも過去の話になりましたが、NATOは現在の火種の最前線ですね。ワルシャワ条約機構は影も形も無いのにねえ...