2012'05.05 (Sat)
キーマカレーを食べながら
ごみつさん推薦のDVDをレンタルして見ました。
十三人の刺客
残虐の限りを尽くす将軍の弟を大目付の密命で討つ。
切って切って切りまくる時代劇活劇。
公開時から話題になっていた作品です。吾郎ちゃんの暗君ぶりが見事と聞いていたので食指は動いていました。
冒頭、内野聖陽扮する明石藩家老の切腹から始まります。
養子として明石藩藩主・松平斉韶となった吾郎ちゃんの暴虐ぶりをお上に訴えるためです。
この切腹、腹を十字にかっ捌いております。
自分で、腹を十字にかっ捌いて、内蔵を三方に載せて、頸動脈を切って絶命するのが正式な切腹です。
記録でもこれができた剛の者は二人しかいません。
(スプラッタは嫌いでも、切腹については語れる史学科出身者です)
この映画の時代になると「扇子腹」(刀に見立てた扇子を腹に突き立てた形にしたら、介錯が頸動脈を切って絶命させる)がほとんどなので、それだけで殿のご乱行ぶりが尋常でないとわかります。
この命を賭した嘆願は斉韶が将軍の実弟で、老中昇格も決まっているため、老中(平幹)も苦悩する。
その大目付に明石守の非道を訴える尾張藩本陣詰役(幸四郎)の訴えを聞くに及び、老中は目付・島田(役所広司)に斉韶暗殺の密命を下します。
ここから刺客の選抜が始まり、攻撃を受ける側の明石藩家老・鬼頭(市村正親)との頭脳戦が始まります。
刺客の選抜と島田VS鬼頭の頭脳戦が、この映画の見所でしょう。
12代将軍・家慶の時代の話ですから、もう武士が武士たる拠りどころを無くしている時代です。
その持って行き所のない武士の気概を持った人間達が島田の元に集まり、襲撃の場所は美濃・落合宿と決定。
策を廻らし万全の準備を整える刺客達と、斉韶の気性ゆえ受けて立つしかなかった鬼頭はじめ明石藩は「殿を生かして通せば勝ち」の覚悟で落合で激突します。
この物量に物言わせた激突シーンは見ごたえはあるけど、ちょっと長い印象を受けます。
この激突シーンをもう少し上手く削ったら中だるみはなかったかなとちょっと残念。
でもまあ、この映画のキャストの豪華なこと。
内野、平幹、幸四郎、役所、市村、松方、伊原(案外剣豪役が多い)、古田新(新感線の舞台で立ち回りに慣れてる)…と出せるだけ頑張ってみましたというキャスティングでしたね。
殺陣いうには派手すぎる演出でしたが、これはこれでアリ。
女性は斉韶の被害者としてしか出ないのですが、牧野(幸四郎)の息子の嫁の青眉と鉄漿の姿はいかにも新妻という感じで初々しくかつ色っぽかった。
ここらへんのこだわりも好きです。
そして、出色の出来はやはり吾郎ちゃんでしょうか。噂通りの残虐な暗君ぶりでした。
特に演技力があるわけではないのですが、kinkachohはちょっとジル・ド・レを思い出してしまいました。
ジャンヌ・ダルクと一緒に戦っていた時はよかったのだけれど、戦後、自分の残虐性を持て余したフランスの武将とちょっとかぶってしまいました。
斉韶も戦国時代に生まれていたら、多少残虐なことしても、勇猛なんて評価を受けていたかもしれません。
要するに、島田はじめ13人の刺客も、斉韶も、そして、鬼頭も武士が武士として生きることができる時代なら、よかったのにね…と思う作品でした。
十三人の刺客
残虐の限りを尽くす将軍の弟を大目付の密命で討つ。
切って切って切りまくる時代劇活劇。
公開時から話題になっていた作品です。吾郎ちゃんの暗君ぶりが見事と聞いていたので食指は動いていました。
冒頭、内野聖陽扮する明石藩家老の切腹から始まります。
養子として明石藩藩主・松平斉韶となった吾郎ちゃんの暴虐ぶりをお上に訴えるためです。
この切腹、腹を十字にかっ捌いております。
自分で、腹を十字にかっ捌いて、内蔵を三方に載せて、頸動脈を切って絶命するのが正式な切腹です。
記録でもこれができた剛の者は二人しかいません。
(スプラッタは嫌いでも、切腹については語れる史学科出身者です)
この映画の時代になると「扇子腹」(刀に見立てた扇子を腹に突き立てた形にしたら、介錯が頸動脈を切って絶命させる)がほとんどなので、それだけで殿のご乱行ぶりが尋常でないとわかります。
この命を賭した嘆願は斉韶が将軍の実弟で、老中昇格も決まっているため、老中(平幹)も苦悩する。
その大目付に明石守の非道を訴える尾張藩本陣詰役(幸四郎)の訴えを聞くに及び、老中は目付・島田(役所広司)に斉韶暗殺の密命を下します。
ここから刺客の選抜が始まり、攻撃を受ける側の明石藩家老・鬼頭(市村正親)との頭脳戦が始まります。
刺客の選抜と島田VS鬼頭の頭脳戦が、この映画の見所でしょう。
12代将軍・家慶の時代の話ですから、もう武士が武士たる拠りどころを無くしている時代です。
その持って行き所のない武士の気概を持った人間達が島田の元に集まり、襲撃の場所は美濃・落合宿と決定。
策を廻らし万全の準備を整える刺客達と、斉韶の気性ゆえ受けて立つしかなかった鬼頭はじめ明石藩は「殿を生かして通せば勝ち」の覚悟で落合で激突します。
この物量に物言わせた激突シーンは見ごたえはあるけど、ちょっと長い印象を受けます。
この激突シーンをもう少し上手く削ったら中だるみはなかったかなとちょっと残念。
でもまあ、この映画のキャストの豪華なこと。
内野、平幹、幸四郎、役所、市村、松方、伊原(案外剣豪役が多い)、古田新(新感線の舞台で立ち回りに慣れてる)…と出せるだけ頑張ってみましたというキャスティングでしたね。
殺陣いうには派手すぎる演出でしたが、これはこれでアリ。
女性は斉韶の被害者としてしか出ないのですが、牧野(幸四郎)の息子の嫁の青眉と鉄漿の姿はいかにも新妻という感じで初々しくかつ色っぽかった。
ここらへんのこだわりも好きです。
そして、出色の出来はやはり吾郎ちゃんでしょうか。噂通りの残虐な暗君ぶりでした。
特に演技力があるわけではないのですが、kinkachohはちょっとジル・ド・レを思い出してしまいました。
ジャンヌ・ダルクと一緒に戦っていた時はよかったのだけれど、戦後、自分の残虐性を持て余したフランスの武将とちょっとかぶってしまいました。
斉韶も戦国時代に生まれていたら、多少残虐なことしても、勇猛なんて評価を受けていたかもしれません。
要するに、島田はじめ13人の刺客も、斉韶も、そして、鬼頭も武士が武士として生きることができる時代なら、よかったのにね…と思う作品でした。
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先日は私の記事でもコメントいただいて有難うございました。
私も噂では稲垣吾郎の演技が良いらしいとは聞いてたのですが、「しょせんはジャニーズだし」と侮っておりました。素晴らしかったですよね。
それに映画全体が最近の時代劇としては、かなり上出来だったのも嬉しい驚きでした。
ラストの襲撃シーンは、私ももうちょっと短めにまとめられなかたか・・っていう気がしました。あそこがこの映画の最大の見せ場なので、力を注ぎこんだだろうし、見せたいシーンがたくさんあったんだろう・・っていうのも理解は出来るんですけれどね。
時代劇、この作品あたりをきっかけにまた盛り返してもらいたいです。