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2012'09.13 (Thu)

音楽に惹かれて

八甲田山もこれも音楽は芥川也寸夫。

砂の器2005デジタルリマスター版

近年テレビドラマ化が続いた松本清張原作の映画版です。

東北の亀田に二人の刑事が降り立つ。
蒲田操車場で起きた殺人事件の被害者が東北弁で「亀田」の言葉を話していたための捜査だった。
亀田には手がかりがなく捜査は一旦暗礁に乗り上げるが、島根でも東北弁に似た言葉が話されていることが判明し、容疑者もやがて走査線上に浮かび上がる。

主役は刑事の丹波哲郎、犯人は加藤剛、被害者は緒形拳。
丹波哲郎はほぼ犯人と接触はなく、被害者の身元から聞き込みで事件のほぼ全容を解明します。
白眉は捜査会議での事件の解説に尽きます。丹波哲郎がこんな名優とは思いませんでした。
この映画のみが原作で事件の背景を改変せず、ハンセン病に対する差別として描いています。(これが眼目だと思うのに、テレビドラマは全て改変してます。)
そして、犯人となってしまった子と父親が故郷を捨てて放浪しなければならなかった事情がまだ舞台となった昭和初期には残っていた美しい日本の四季と共に映像化されてます。
周りから差別を受けながらも、庇い合い、愛情深い生活を送っていた親子の姿を涙無くしては見てられません。
病が進み放浪生活が困難になった親子に救いの手を差し伸べたのが後に被害者となる巡査。とても善意溢れる人です。八甲田山と言い、緒形拳の名演です。でも、子供には父親を奪った憎い相手ではなかったでしょうか。
そして、父との離別の後、苦労の末成功を目の前にした時に父を奪った相手が今度は父親に無理にでも会えと現れた。
過去や素姓の発覚を恐れての犯行ではなく、親子の愛情の結末としての犯行だったと思わせます。
刑事に成長した息子の写真を見せられて一目で息子とわかりながら知らないと言う父親。
施設入所後、唯一の恩人だった被害者を殺したのが息子と察して親子の絆を否定することで庇おうとします。
息子の心情は奇しくも刑事の「音楽に寄って父親に会おう」としたと言う言葉が示します。

今、廃れつつある父子の愛情、日本の自然の美しさを描いて、原作にある余計なものを省いて、この映画は作品の純度を上げてます。

そして、芥川氏の音楽は今聞いても色褪せません。
先日の「八甲田山」といい日本映画音楽の名作だと思います。
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Comment

●見たいな~

今晩は。

Kinkacho さんの記事で久しぶりに「砂の器」見たくなっちゃたよ~。「八甲田山」の後で久しぶりで再見してみようかな。

これは原作の素晴らしさはもちろんだけど、この映画版も素晴らしいんですよね~。映画らしい作品に仕上げてあって、ドラマも盛り上げ方が良いんですよね。v-265

そうそう丹波哲郎はその後のテレビでのイメージが強いから忘れられちゃってるけど、映画で見るとすごい良い俳優さんでビックリしちゃいます。男前だしね。

よ~し、私も近々に見る!(笑)e-442
ごみつ | 2012年09月12日(水) 22:30 | URL | コメント編集

●涙ちょちょ切れる

ごみつさん、こんにちは。
この映画は原作越えだと思います。
放送コードでテレビ放映できないのがもったいない。
映画の出来を引きずって、ついついテレビドラマを見ては失望しています。
kinkacho | 2012年09月12日(水) 23:15 | URL | コメント編集

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