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2012'12.19 (Wed)

女優の力

日の浦姫物語 シアターBRABA! 1階K17

作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄
出演:大竹しのぶ、藤原竜也、木場勝巳、立石涼子ほか

説教聖と三味線弾きの女が語る説教節「日の浦姫物語」…
奥州・米田庄の領主男女のに双子が生まれる。
兄・稲若と妹・日の浦は兄妹の垣を超えて、愛し合い、日の浦は男の子を出産する。
醜聞をもみ消すために、都へ出仕しようとした稲若はその途上で死に、子供は海に流され、一人残された日の浦は米田庄の領主として生きることになる。
18年後、近隣の領主の強引な領主の求婚に困り果てていた日の浦の前に、成長し魚名と名乗るようになった息子が現れ…

言葉の魔術師・井上ひさしが文学座のために書き下ろした作品を蜷川が演出。
初演では大女優・杉村春子が演じた日の浦姫を、女優として脂の乗った大竹しのぶが演じ、相手役・稲若と魚名の二役を藤原竜也が演じます。
兄と妹、母と息子という禁忌であり悲劇を、言葉を操ることで喜劇にしてしまったところが、井上ひさしの真骨頂でしょう。
それを蜷川が演出したわけですが、どうも蜷川臭さにもう飽きがきていて、「またか」と思う場面がしばしばあって、はっきり言って退屈でした。
米田庄が福島県浜通りということを明示したり、説教聖たちを現代人が罵倒非難する幕切れで何かを訴えたかったというのが説教臭い。
そこを補うのが大竹しのぶの演技力。
もはや何かが取りついている感じで恐怖すら覚えます。兄を愛し、息子と契った宿業の女を演じ、妹の時はもの知らずの深窓の姫、領主の時は凛々しく、妻の時は官能的と、「宿命の女」(ファム・ファタール)と呼ぶにふさわしい演技力です。
さすが、私生活でも三人の男を食い尽くしただけに凄みが違います。
(第一の夫は病死、さんま、野田秀樹は大竹と付き合っている時は精彩に欠けてました。大竹自身も「面白くなくなったら捨てちゃうの」と公言しています。)
相手役の藤原竜也は、スカウトされて踏んだ初舞台が白石加代子だっただけに、食らわれるぐらいの方が光ります。
なにせ初舞台の劇評が「蜷川と白石という重油の海でもがくラッコ」と呼ばれたぐらいですから、受身の演技が合ってます。
しかも、半裸になるシーンに見える体がきれい。眼福でした。

正価12000円ではちょっと…でしたが、半額6000円なら大竹&藤原で許せます。
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Comment

大竹しのぶさんの舞台、一度も観たことがないんです・・。
宝塚友達からはよくお話を伺いますが、
本当、すばらしい演技力なんですね。
ぜひ一度挑戦してみたいです。
keroyon | 2012年12月20日(木) 12:59 | URL | コメント編集

●一見に如かず

Keroyon さん、こんにちは。
大竹しのぶ、好きな女優ではありませんが、見るべき女優です。
一度、生で見て下さい。
一見の価値ありです。


kinkacho | 2012年12月20日(木) 21:47 | URL | コメント編集

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