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2008'03.25 (Tue)

ブラックペアン1988

海堂尊著。
著者の桜宮ワールドの最新作。 かの田口・白鳥シリーズで、密かにkinkachoの熱い視線を集めている高階院長の若き日のお話。 深謀遠慮のタヌキ院長も本作ではアメリカ帰りの「小天狗」。相方は「手術室の悪魔」。海堂氏、二つ名が好きですね。センスはイマイチですが。 ストーリーは一応ミステリーなんですが、人は死なないんで華がない。でも、一連のシリーズで一番身近に感じる大学病院の描写でした。研修医、告知問題、医局、プロパー、院長選…一番馴染みやすいというか、イメージ通りの大学病院でした。田口・白鳥が出てくる作品は現在すぎて、素人には先端すぎるんでしょう。 kinkachoの大学病院はおそらく田宮版「白い巨塔」で刷り込まれて、唐沢版で修正されているから、現役勤務医の著者とはタイムラグがあるのだと思います。 ストーリーに華はないけど、「火喰い鳥」白鳥がいない分、それはあんまりなと思う大技がなく堅実に読ませます。よくできた佳作と思います。 高階はじめ、黒崎、藤原、猫田などなど、お馴染み東城大学病院のメンバー、若き日の田口も出て、ここらへんは楽屋オチなんですね。とてもライトノベル的世界。読後、多用される医学用語と共に、どうもごまかされたような違和感は残ります。 今出版界で一番活気があるのはライトノベルというのは間違いないと思います。だから、普通の小説でラノベの手法が使われれのはやむなしなのですが、本読みの性として、そこらの境界線は曖昧にして欲しくないなと非常に強く感じた一冊でした。
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