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2010'10.25 (Mon)

たった一章のために

残酷な王と悲しみの王妃
中野京子著
今までの記事からもわかるでしょうが、kinkachoは歴史エピソードの読物が好きです。
怖い絵シリーズで有名になった著者の最新刊。
取り上げられた人物は、メアリー・スチュアート、マルガリータ・テレサ、イワン雷帝、ゾフィア・ドロテア、アン・ブーリンの五人。
わかってましたが、目新しいエピソードなんてありませんでした。ガッカリ…
この作者の年令の年代以下は知らないのですが、メアリー・スチュアートの記述に「七つの黄金郷」(kinkachoの年代以下なら知ってるよな)的解釈を見つけガッカリし、イワン雷帝の章にウィッキペディアの繋ぎ合わせを感じてガッカリしました。
目新しいイワン雷帝の章に期待して買ったのに期待外れ…
まあこの著者は絵画からの歴史上の人物にアプローチする方なので、まともな同時代の肖像画のないイワン雷帝はやりにくかったとは思います。
怖い絵シリーズがなかなか鋭い切り口だったので期待していたのですが(スペイン・ハプスブルク最後の王カルロス二世の章などは秀逸)、早くもネタ切れ?
だとしたら、写実的肖像画なんてルネサンス以降写真の出現までなので間口狭すぎ!ですよ。
それでも、この本ではマルガリータ・テレサの輿入れ以降の生活にスポットを当てたのはなかなか素晴らしい。
マルガリータ・テレサの肖像画と言えばベラスケスなのですが、ベラスケスよりマソとヤン・トーマスの作品を取り上げたのが新しかったです。画家の技量が違い過ぎて、同じ人物とは思えなかったのが難点と言えば難点ですが…
後は、この著者が継ぎ接ぎと評価の低い桐生操に負けないことを祈ります。
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Comment

こんにちは

中野京子さんの「怖い絵」シリーズはこのジャンルの本としては凄いベストセラーでしたよね。!(^^)!

このシリーズで一気に注目されてますが、新作はいまひとつだったみたいですね。

こういう歴史がらみの内容の本は、著者の技量と知識もさることながら、語りつくされている感もあるので切り口、解釈なんかも重要だし、これからが難しいですよね。

良い本っていうのはみつけるのがけっこう難しいものだといつも思ってます。
ごみつ | 2010年10月27日(水) 15:09 | URL | コメント編集

ごみつさん、こんにちは。
そうなんですよね、この手の本はもう出尽くした感が否めません。それこそ重箱の隅をつつくようなエピソードぐらいしかないですね…
だから、絵画からのアプローチだったこの中野さんの怖い絵シリーズは新しかったのだと思います。
kinkacho | 2010年10月27日(水) 17:21 | URL | コメント編集

●新作

中野京子さんの新作が出てたのですね。
でも、エピソードの焼き直しみたいな感じなのかなあ。
購入を考えてしまいました(汗)
カルロス2世といえば、ハプスブルグに的をしぼった新書がありましたが、
私にとっての、ハプスブルグ入門書でした。
すみかわ | 2010年10月29日(金) 23:16 | URL | コメント編集

●遅くなりました

すみかわさん、コメ返し遅くなりました。すみません。
講談社現代新書の「ハプスブルグ家」ですかね?同新書の「ハプスブルグの女たち」もお勧めです。
中野京子さん自身も新書でハプスブルグ家の本とブルボン家の本を出してますね。
いずれも「怖い絵」シリーズの焼き直し感は否めません。
kinkacho | 2010年11月10日(水) 17:46 | URL | コメント編集

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